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クロストレーニング~クロスカントリースキー編~

僕はトレイルランニングの競技力を伸ばすために他のスポーツにも取り組んでいます。
今日はクロスカントリースキー(以下、XCスキー)についてお話しします。

始めたキッカケ

XCスキーを始めたのは確か社会人1年目、2017年の1月か2月頃だったと思います。
日本のトレイルランニングシーンにおけるトップランナーにスキーがバックグラウンドにある選手が多く、
何かトレイルランニングと結びつくものがあるのではないかと思い、
最初はスカイランニングのユースの仲間と、妙高高原で小川壮太選手を講師に呼んで合宿をしました。
僕自身雪の多い長野県大町市の出身ですが、学校行事でスキー教室はあるもののXCスキーに触れる機会はありませんでした。

常宿・ALP

2回目からはモントレイル時代のチームメイトでもある山田琢也選手が経営している「スポーツハイムアルプ」で合宿。https://www.sportheim-alp.com/
以降年に一度はここでXCスキーの合宿を行うようにしています。
山田選手はトレイルランニングを始める前は、スキーアーチェリーという競技(XCスキーとアーチェリーの複合競技)で世界選手権で優勝された経験を持つ、XCスキーのスペシャリストです。
そんな山田選手に教えてもらいながら、地元の園児よりも下手くそな超ド素人からスタートしました。

XCスキーって?

皆さん、北京五輪は見てますか?

僕は昨年の東京五輪以上に直接の知り合いが多く出場しているので毎日観戦しています!

その知り合いも出場しているスキーアスロンやノルディック複合などで、スキーのマラソンのように行われているのがXCスキーです。

そもそもXCスキーには2種類の走法、クラシカル走法とフリー走法があります。

クラシカル走法は大きく摺り足をするように脚を交互に動かして板を滑らせたり、スキーポールを左右同時に突いてそこを支持点とし、腰、背中を屈曲させて揃えた板を滑らせたりします。

一方フリー走法は、走法制限が一切なく、スケートのように板を滑らせることが可能です。

また、クラシカルでは摺り足をする際にグリップするよう、ブーツの裏にあたる板の裏にはうろこ状に加工が施されています。

以前どこかで目にした記事には、あらゆるスポーツの中でXCスキーヤーのVO2maxの平均値が最も高い、というのを見かけたことがあります。陸上長距離以上に全身をダイナミックに動かす持久スポーツなので、その結果も頷けます。

XCスキーから得られるもの

上で紹介したクラシカル走法とフリー走法のそれぞれでトレイルランニングに活きてくることがあると感じています。

クラシカル走法では摺り足をしながら進んでいきますが、この時上手くグリップするポイントに乗れていないと力が雪面に伝わらず、スムーズに進んでいきません。この感覚を掴めるようになることで、ランニング時の接地の安定感が良くなるように感じます。

フリー走法ではスケーティング時、特に登りでは臀部やハムストリングスに効いてきます。臀部やハムストリングスといった部位は体の中でも大きな筋肉ですので、ここをうまく使えるようになると推進力が増します。

そして共通して言えることが、

1.バランス感覚が養われる

ただでさえ雪上という不安定なコンデションをエッジのない、細い板でバランスをとらなくてはなりません。

このバランス感覚が高まれば、トレイルでも安定して走れるようになるはずです。

2.脚休めになる

もちろんトレーニングなので疲労はしますが、ランニングと違って地面へのインパクトがないのでランニングにありがちな故障のリスクを減らすことができます。とりわけ冬は駅伝やマラソン大会が多くいつも以上に走りすぎたりアスファルトのダメージがあったりします。うまく取り入れることで脚を休めつつトレーニングができます。

3.身体の操作性が高まり動きの引き出しが増える

前にも書いたように、僕は大人になってから始めて地元の園児より下手くそなところからスタートしました。

それでも年々上手く滑れるようになりました。

ここで大事なのは「できなかったことができるようになること」です。

正直XCスキー、難しいです。一日二日練習したからといってそこそこ滑れるようになるわけではありません。

それでも超ド素人から素人に毛が生えたくらいの成長でも大きな成長なんです。

要は少しずつ感覚が良くなったり上達を感じられるということは、それまで使えていなかった筋肉が使えるようになったり自分の思い通りに体をコントロールできるようになっているということです。

この「動きの引き出し」が増えることで、例えばトレイルでの咄嗟の転倒を回避できたり、今まで以上に攻めたラインで下ることができたり、効率よく登るためのヒントを得ることができるのです。

以上が僕なりに考えたXCスキーのトレーニングがトレイルランニングに繋がることです。

最後の3については僕が他にも取り組んでいるマウンテンバイクにも言えることです。

マウンテンバイクについては次回お話しします。

まとめ

同じスポーツ、同じ動きをし続けると、同じ筋肉や関節ばかりにダメージが蓄積します。

トレイルランニングは上り下り、障害物をよけたりと、ロードランニングに比べたらダメージの蓄積は少ないかもしれません。

XCスキーでなくても、ランニングと違うスポーツを取り入れることで身体へのダメージを分散できたり、そこに新しいヒントがあったりするので、ぜひクロストレーニングを取り入れてみてはいかがでしょうか?

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