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Zegama振り返り

今回出場したZegama Aizkorri mendi maratoia。

結果は4時間09分41秒で28位。

今年一番懸けていたレース。

こんな結果で終わるはずじゃなかった。

調整もうまくいっていただけに、今回の結果で相当自信を失った。

それでも次のレースに向けて切り替えていくためにも、今回のレースを振り返り、分析し、この失敗を次に繋げなくてはいけない。

準備

昨年のIZU Trail Journey後にオフをとり、本格的に練習を再開したのは1月から。

ただ1月もコロナではなかったが風邪を引いたり、2月から3月にかけては膝を痛めたり腓腹筋の調子が悪く、練習がうまく積めないままTrans Gran Canaria 126kmに出場するも練習不足で失速したせいもあり低体温症で途中棄権。

帰国後直後の宮古島合宿では良いトレーニングができたが、シンスプリントを3月まで引きづってしまう。

4月に入ってようやくうまくトレーニングができるようになり、2週間の阿蘇合宿、GWの富士見合宿を終え、良い仕上がりにはなってきた。ただ、これが年初から順調であればもっとできることがあったとも思う。

大会1週間前に現地入り。

2回に分けて試走し、4年ぶりのゼガマのコースを復習。

このレースのためにトレーナーにも帯同してもらい、施術してもらうなかで筋肉の状態もかなり良い仕上がりになっていた。

レース展開

僕はどんなレースでも優勝を狙っている。

今回はキリアンと初対決。

カメラマンの藤巻さんからは、カメラを構えてるところまでキリアンと来てと言われていたが、そもそも優勝するためにはキリアンについていくしかない。

号砲。

キリアンを探すが見当たらない。

今回はケニア勢も多く出場している。

街を一周する頃にキリアンがケニア勢のなかに紛れているのを見つける。

出遅れた。

トレイルに入りすぐにキリアンが1人抜け出す。

このまま一人旅にさせるわけにはいかない。

キリアンの近くで走りを見たい。

6km近く緩やかな登りとフラットを繰り返すセクションでじわじわキリアンに詰め寄る。

しばらくキリアンの後ろに付き、7kmのエイド手前でキリアンがジェルを摂るために少しスピードが落ちたので前に出る。

少し下って道路を渡り、短いが急な登り坂に差し掛かる。

脚は軽いが時計を見ると185bpm。

明らかなオーバーペース。

リストでの計測だから多少ずれてるだろうし、前半はアップダウンを繰り返しながら徐々に標高が上がってくからフラットや下りのところで心拍を落ち着ければいいと思い、そのまま進んでいく。

10kmあたりだろうか、キリアンの後ろを走ってるとキリアンがコースミス。

おーい、何回走ってるんだよ(笑)

僕とキリアンだけ少しコースを逸れたところから強引にコースに向かって下り、後方の集団に吸収される。

その後も先頭集団で走るも13.5kmのエイド手前の登りで離される。先頭から43秒差でエイドを通過。

呼吸がしんどいのもあるが、ハムストリングスもきつく登りのペースについていけない。

本格的な山岳セクションに入る前から離されるとは…

一つ目の山、Aratzはそこまで失速することなく通過し、大歓声が待つSancti Spirituへ。

先頭から2分22秒遅れで通過。

今年は3年ぶりの開催ともあって一段と観戦者が多い。

鼓膜が破けるほどの至近距離での大歓声。

自分の呼吸も、鼓動も聞こえなくなる。

この時点ですでに内転筋が攣りかけていたが、思わず笑みがこぼれる。

ここからがこのコースの核心部。

まずはAizkorri山頂へ。

攣らないようペースを落として進んでいくが後続に抜かれていく。

3回目の出場だが、いつもここの登りが鬼門。

この登りを元気に走れたためしがない。

Aizkorriには藤巻さんが待っている。

そして山頂での大歓声。

Photo: Sho Fujimaki
Photo: Sho Fujimaki

Aizkorriを過ぎるとこの山塊を細かく登り降り。

ここが一番の難所。

足と岩との接地はほぼ「点」。

その岩も多くのランナーや登山者の影響でなで仏のようにつるつる。

そんなセクションが1km続いた後は、平均斜度36.6%、最大斜度48%の800mダウンヒル。

今回このダウンヒルは自己ベスト。

ここでは攣らなかったが、その後Urbiaまでの比較的フラットだが岩を飛び越えながらグネグネ進むセクションで何度か痙攣。

Urbiaを通過し最後の山、Andraitzを14位で通過。

ここからは12kmのダウンヒル。

順位は厳しいが4時間切りは狙える。

気持ちは切れていなかったが体がついてこない。

ただただ脚が回らない。

何度も痙攣し、立ち止まりながらようやくZegamaへ戻ってきた。

4時間09分41秒。

過去ワーストタイム。

路面コンディション、気温、ボディコンディション、すべてが過去最高だったのに。

一体なぜこうなったのか…

Photo: Sho Fujimaki

分析

考えられることとして、まずはオーバーペース。

先頭集団から離れるまでは常に心拍が180オーバー。

STRAVAで準優勝のDavideのデータを見ると前半13kmは各ラップ僕より10低い。

次に練習不足。

高校時代怪我しやすかったこともあり、普段月間走行距離は少なめだが、このレースに向けて徐々に練習量も増やしてきた。

それでも絶対的に足りてない。

そして水分不足。

あとは色々と適応できていなかった。

走れるトレイルであのようなスピードで走る機会がなかったために脚が適応してなかった。

バランス調整能力には取り組んできたが、核心部ではまったく安定しなかった。

激下りのセグメントを更新できたのは多少成長の表れかもしれない。

それでも今回のコンディションを考えればあそこまで下りで大失速したことはやっぱり納得いかない。

受け入れなくてはいけないんだけども…

ただ、まだまだやれることが沢山あることには変わりない。

もっと強くなれるはず。

Photo: Sho Fujimaki

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