オーストリア・Maria Almで開催された、Skyrunner World Seriesの第4戦に出場しました。
現地に着いた日から、毎日夕方には雷雨になるような不安定な天気でしたが、大会期間中だけ見事に晴れました。
日本からは僕以外にも上正原真人選手(かみしょー)、近江竜之介選手(りゅう)も出場。
レース前日、2.6kmのダウンヒルレースが開催されるということで、僕とりゅうが出場。
大会記録でワンツーフィニッシュを飾った。
6月4日、朝8時。
スカイレースの部がスタート。
距離31.6km、累積標高2685mD+。
まずは10kmで標高差1500mを一気に駆け上る。
有力選手は、昨年僕が2位だったKaiseKrone Skyraceで優勝、スカイランニング世界選手権で銀メダルのChristian Mathys。昨年のこの大会で優勝、KaiseKrone Skyraceで3位、山岳スキーでキリアンとペアを組むJakob Herrmann。
Christianの下りがかなり速いので、本来であれば登りで差をつけに行くところだが、先週のゼガマの疲労やコース後半のプロフィールを考慮して、前半抑えてペースを落とさず走り切るという戦略。
最初の登りはChristian、フランスのDamien、りゅうが先行し、少し離れたところから心拍170くらいをキープして登る。
ピークに近づくにつれ差が詰まり、10km手前のエイドを1位で通過。
ここからスカイランニングの醍醐味、稜線&残雪セクション。
残雪が多くルートファインディングが難しいうえにほぼ滑落のようなグリセード。
ブログの最後にハイライト動画を貼っておくのでぜひ見てほしい。
残雪に足を取られ、徐々にChristian、Damienに離されていく。
稜線が終わると6kmで標高差約1400mを一気に下るテクニカルなダウンヒル。
2人にパスされ、下り切った20kmのエイドを5位で通過。
トップとは7分も差がついてしまったが、3位までは見える範囲にいる。
ここからの登り返しを攻めて順位を上げていく。
残り三つの登りのうち最初の登りで3位に順位を上げる。下りで4位に落ちるも離されていない。
25km。ここからはさらに緩い登り。まだまだ攻めるぞ!と思った矢先、パタッと脚が止まった。
歩く力も振り絞れない。
ゼガマよりも水分も摂っていたし、攣る気配もない。
ゼガマが終わってから食事もしっかり摂れていた。
なのになんで動かない。
どうしようもなくなり仰向けになって寝転ぶ。
起き上がっても動かない。
何分そこで座り込んでいただろうか。
りゅう、かみしょーに追いつかれ、声をかけてもらったが動けず。
少しずつ歩き出すが、ゴールまでの下りもほぼ歩き。
なんとかMaria Almの街に帰ってきた。
結果は4時間15分08秒で23位。
レース後、スタッフと原因について話し合った中で最も有力だった原因は「ハンガーノック」。
前日のダウンヒルレースの無酸素運動で筋グリコーゲンが枯渇し、一晩の食事では貯蔵できず、レース中の補給でもエネルギー消費に追いつかず、ハンガーノックになってしまったと。
明らかに脱水ではなかったし、オーバートレーニングであれば最初から疲労感で走れないはず。
これまでこの距離で失敗することはなかったから、ハンガーノックと言われてもすんなりとは納得できないけど、あれこれ悩むよりはハンガーノックという理由で片づけてしまえば次に切り替えていける。
写真:藤巻翔