今回で4度目のZegama Marathonを走ってきました。
この大会はGolden Trail World Seriesの初戦。
この距離において、コースの難易度、会場の盛り上がり、注目度、どれをとっても世界一の大会といっても過言ではない、そんなレースです。
参加者500人のうち、エリート選手などを差し引いた残り300人の枠に約16,000人が応募。
そして人口1,000人の村に観客3万人が押し寄せます。

準備
昨年は初めてのキリアンとの対決ということで、序盤から果敢に攻めていった結果、オーバーペースで失速。
シーズンを通して走れる登り(斜度10%前後)で先頭集団についていけないという課題がありました。
それを踏まえて3月はトレッドミルで登坂力強化。これは2019年にSkyrunner World Seriesの初戦で優勝した前よりもはるかに高い質でトレーニングができました。
また、比較的走れる前半で余裕を持たすために平地の走力にもアプローチ。8年ぶりにトラックの5000mにも出場し、組トップの14分51秒を記録。合宿直後でもあったし、十分求めていたレベルまで上げることができていました。
Race Day
マウンテン&トレイランニング世界選手権に合わせ、例年より2週間早い開催。
天候は雨。稜線はあられも降り遠くで雷も。山の上の体感温度はマイナス7℃。風速10m/s以上。
これまで出場してきた中で最悪のコンディション。
スタート15分前。TOP10アスリートとして紹介されていたため、名前を呼ばれ観客の前を走り最前列に整列する。
9時号砲。
まずはゼガマの街を一周し、それからトレイルへ。昨年の反省を生かし前半はマイペースに、3位集団の数十mほど後方の7位集団でレースを進める。

じわじわと3位集団から離されながらも7位をキープしたまま最初の山、Aratzへ。
稜線、下りは爆風。ここで上着を羽織るべきだった。
下りで優勝したマニュエルにパスされ8位で大声援が待つSancti Spirituへ。
この悪天候でも変わらずの大歓声。
耳をつんざくほどボリューム。
観客を煽りながら、この区間を楽しむ。

200~300mの大観衆の道を抜け、いよいよAizkorriへ。
稜線は暴風と予測し、ここでレインジャケットを羽織る。
Aizkorri山頂直下。ここまで登るのに1時間はかかる。
ここにもこれだけの大観衆。本当にパワーをもらえる。
Aizkorriの山頂を通過し、ここからAketegiを踏む超テクニカル山岳パート。
のはずがどうやら悪天候によりそのまま下らせるコースに変更されたよう。
それでも足の置く場所を躊躇するような、とげとげ岩のテクニカルな下り。
下りながら観客から先頭と4分差と告げられる。
まだ4分差、いける!
そう意気込んだ数百メートル後、下りきった約26km地点のエイドの手前で転倒した際、大転子を岩に打ち付けしばし悶絶。
痛みが馴染むまで少しかかったが、小刻みにアップダウンする走れるセクションでリズムを取り戻す。
ただこの時すでに異変が起きていた。
Aizkorriからの下りで視界がチカチカし始めており、28kmのエイド手前、ジェルを補給しようとするも手に力が入らず切れない。
序盤から早々に手のかじかみ対策でグローブはしていた。
エイドでオレンジとバナナを頬張り、最後のひと山へと向かうも走れない。
5、6人にパスされ何とか登り切り、ここから12kmのダウンヒル。
前の選手たちはここをどう進んでいったのか。
転倒せずにはいられないマッドコンディション。
昨年のように下りにもかかわらず立ち止まるほどではなかったが、視界は相変わらずチカチカし、
脚は踏ん張れず何度転んだことか。
ジェルが切れないのでエイドのたびにバナナを頬張る。
残り3km。小笠原光研選手にパスされる。今年から「Ruy」でサポートしている選手。
目標となる選手でなくてはならないのに、情けない。
ようやくゼガマの街に帰ってきた。
観衆からたくさん名前を呼んでもらった。
42位
過去最低の結果で4度目の挑戦が幕を閉じた。

レース後
レース中はアドレナリンが出ていたのだろう。
あちこちが転倒時の打撲で腫れあがり、特に右膝は曲げられないほど。
レースを終えて二日経ったが全く走れるような状態ではない。
この後オーストリアに移動し、レッドブルの施設で検査してもらう予定だ。
今回失速した原因として考えられることは、
①レインジャケットを着るのが遅かった
最初の山、暴風雨はたった2、3km、走れば20分もかからないが、こうして文字にしてみると、体感温度がマイナスの世界に薄着で20分もいたのは明らかに判断ミス。
②低血糖
Aizkorriからの下りで目がチカチカした原因がこれじゃないかと。寒さによっていつも以上にカロリーを消費しているにもかかわらず補給が見合ってなかったのではないか。
過去TOP10に入った2017年、2018年と比較すると、昨年、今年はシーズンインが遅かった(Zegamaがほぼシーズン初戦だった)ことも一つの要因として考えられるのではないか。
山でのトレーニングをしていたとはいっても、実戦での勝負勘だったり、出し切るための出力の調整はトレーニングではなかなか得られないもの。2017年は4月にハセツネ30K(短縮)とKOREA 50Kに、2018年は5月にUEDA SKYRACEとTransvulcaniaのVKとHalf marathonに出場していた。
悪かったことばかりではなく良かったこともあった。
Aizkorriからの下りで目がチカチカするまではこれまでの3回と比べて一番余裕があった。
それは前半のペース配分やベースの走力アップのおかげかなと思う。
まだまだやれることはある。
Zegamaで勝ちたい。
